マーケティングフレームワークに「5P分析(ごぴーぶんせき)」「6P分析(ろくぴーぶんせき)」「7P分析(ななぴーぶんせき)」と呼ばれる考え方・理論があります。
目次
5P分析と6P分析
5P分析と6P分析は、4P分析をもとに発展させたフレームワークです。
4P(Product:製品、Price:価格、Place:流通、Promotion:販売促進)に、新たな要素を1つ追加した分析が5P分析、2つ追加したのが6P分析です。
5P分析・6P分析に追加する新たな要素
5P分析・6P分析で新たに分析に追加する要素には次のような候補があります。
- People:人
- Package:包装
- Popularity:人気
- Process:プロセス
- Profile:顧客管理
People:人々
People(ピープル)とは「人々」「人」のことです。
5P分析・6P分析でのPeople(人)とは、お客さんや見込み客などのターゲットとなる顧客、自分(達)の会社や団体のスタッフ、提携・協力関係にある人々、競合関係にある人々、など自分(達)のビジネスに関わるあらゆるステークホルダー(利害関係者)です。
Package:包装
Package(パッケージ)とは「包装」のことです。
商品のパッケージは、商品やビジネスの種類によっては非常に重要な要素になります。
そのため、Package(包装)に関する分析では、顧客はどのような包装を好むか、商品がより多く売れるのはどのようなパッケージデザインか、などについて情報を集めて分析します。
Popularity:人気
Popularity(ポピュラリティ)とは「人気」のことです。
Popularityは「人気」「流行」「評判」「大衆性」「知名度」などの意味を持つ言葉です。
5P分析・6P分析でのPopularityとは、自分(達)の商品・サービスが、ターゲットとなる顧客にどれほど人気があるか、なぜ人気があるのか、どのような部分が人気になっているのか、などについて調査・分析することです。
Process:プロセス
Process(プロセス)とは、自分(達)のビジネスでのありとあらゆる様々なブロセスを表します。
Processは「手順」「経過」などを表す言葉です。
5P分析・6P分析でのProcessには、商品の製造、開発、販売、申込み手続き、サービスの提供、商品の発送、問い合わせ、などに関するプロセスが含まれています。
そのため、Process(プロセス)に関する分析では、自分(達)のビジネス上での様々なプロセスが、適切に行われているか、より効率的なプロセスに改善できるか、などについて情報を集めて分析します。
Profile:顧客管理
Profile(プロフィール、プロファイル)とは「顧客管理」のことです。
Profileは、「人物の紹介」「輪郭」「プロフィール」などの意味を持つ言葉です。5P分析・6P分析でのProfileでは、お客さんや見込み客の、名前、メールアドレス、電話番号、住所、年齢、性別、職業、年収、家族構成、性格、価値観、好み、購入履歴、など人口統計的なデモグラフィックデータと心理的なサイコグラフィックデータの両方についてできるだけ情報を集めて分析します。
5P分析と6P分析のメリット・デメリット
5P分析と6P分析のメリット・デメリットについて話していきます。
4P分析よりも多角的な分析ができる
5P分析と6P分析のメリットとしては、4P分析よりも分析対象にする要素が増えたことで、より多角的な視点から、自分(達)のビジネスについて分析ができることです。
どの要素をどのように分析するかは自分(達)で判断する必要がある
5P分析と6P分析のデメリットとして、どの要素を5P・6Pの分析の対象にして、具体的にどのように分析するかは、自分(達)で考える必要があります。
5P分析・6P分析はあくまでマーケティングを考える時の考え方の視点を得るためのフレームワークです。
そのため、分析の目的や、具体的な調査・分析方法は、5P分析・6P分析を使う人間が考えて決定する必要があります。
7P分析
7P分析も、4P分析をもとに発展させたフレームワークです。
4Pに、新たな要素を3つ追加した分析が7P分析です。
7P分析に追加する新たな3要素
7P分析で新たに分析に追加する要素は次の3つです。
- People(Personal):人
- Process:プロセス
- Physical evidence:物的証拠
People(Personal):人
People(Personal)は「人」を表しています。
5P分析・6P分析でのPeopleと同じ内容の要素です。
Process:プロセス
Processは「プロセス」を表しています。
5P分析・6P分析でのProcessと同じ内容の要素です。
Physical evidence:物的証拠
Physical evidence(フィジカル・エビデンス)とは「物的証拠」のことです。
7P分析でのPhysical evidence(物的証拠)とは、自分(達)の商品・サービスが安心・安全であることを、顧客に保証して伝えることです。
具体的には、食べ物であれば生産者や産地の表示、弁護士の法律関連サービスであれば弁護士資格保有の表示、など顧客が安心・安全を感じられるようにするための証拠を、商品・サービスを提供する側が用意して、顧客が確認できるようにすることです。
Physical evidence(物的証拠)に関する分析では、顧客はどのような保証があれば安心・安全を感じることができるか、顧客が安心・安全を感じることができるようにどのような物的証拠を用意すれば良いか、などについて情報を集めて分析します。
7P分析のメリット・デメリット
7P分析のメリット・デメリットについて話していきます。
サービス業など形の無い商品を扱う業種でも使用しやすい
7P分析のメリットは、サービス業など形の無い商品を扱う業種でも使用しやすいことです。
4P分析は、形の無い商品を扱っている場合にも使用できますが、どちらかというと形の有る商品を扱っている業種を前提にフレームワークが作られています。
しかし、7P分析は、形の有る商品はもちろん、サービスなど形の無い商品についても使用できるフレームワークになっています。
そのため、4P分析で調査・分析がしにくい場合は、7P分析を使用すると良いかもしれません。
5P分析・6P分析よりも、調査・分析に手間がかかりやすい
7P分析のデメリットは、5P分析・6P分析よりも分析する要素の数が多いため、調査・分析に手間がかかりやすいです。
そのため、7P分析をする時には、5P分析・6P分析をする時以上に、分析の目的を明確にして、調査・分析する期間に余裕を持って取り組むと良いでしょう。